治療方針

「病気はどうして出てくるのでしょうか?」
私が病院で患者さんを治療させていただいたとき、Aの病気にはAの治療、Bの病気にはBの治療と対応していた時期があります。決して、間違った治療ではないと思いますがマニュアル通りに治療しても患者さんの状態が全て良くなるわけでもなく、「こんなものか」とこちらも半分しょうがないかと諦めていた時期がありました。
その後クリニックに勤め始めてからは、病院の治療では対応できない患者さんが、ずいぶんとたくさんクリニックにいらっしゃるということを実感しました。とすると、今まで病院で私が教えてもらったものだけでは、患者さんの状態をよくすることができないのかと、途方に暮れていた時、出合ったのが、東洋医学でした。それ以来東洋医学の魅力に取りつかれて、現在、私は東西折衷のような治療を行っています。ただ、大切なことは「何を使って」治すかではなく「ちゃんとした治療結果」が出てくるかという事だと思います。
病気の発生を大まかにみてみると
(1)生まれつきの遺伝的要素
(2)その後の環境による病気の発生
(1)、(2)の割合はそれぞれ個人で異なります。まだ、遺伝子操作をし遺伝的素因から治療する方法が確立されていない以上(2)の身の回りの環境を整えて、何とか病気になりにくい状況を作り出すことを第一に考えて治療する必要があると思います。実際の病気の発生には西洋医学的にはある程度解明されていますが、東洋医学の考えとは違います。


「高血圧」を例にとって話をすすめてみましょう。
「高血圧」は西洋医学的には西洋医学で解析された原因によりそれに合わせた血圧を下げる薬が出て、その薬を半永久的に飲み続けるという治療が主流になっています。
東洋医学的に考えると、「高血圧」も単なる1つの身体のストレスの反応と考えることができます。この楓の葉の図のように「高血圧」だけでなく、いろいろな症状が矢印の「茎」を原因として身体に出てくることがわかります。したがってこの「茎」の原因のところにアプローチしてあげるような治療を行うと「ちゃんとした治療結果」が導き出せます。いわゆる「体質改善」と言われている東洋医学的な治療はこのことで、根本の原因の治療となりますから、最終的には内服薬の減量や中止に持ち込むことが可能となります。

楓の「茎」の「原因」はそれぞれ患者さんによって異なりますので、患者さんの病気の原因に沿った治療を当院では心がけていきたいと思います。